一行の本棚

イン・ザ・メガチャーチ|2026年本屋大賞受賞作。推し活の光と闇を、三つの視点で切り取った問題作

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2026年本屋大賞を受賞した、朝井リョウの最新作です。
「推し活」を題材に、仕掛ける側・仕掛けられる側それぞれがどのようにのめり込んでいくか、非常にリアルな描写が特徴の物語です。
いま私たちの周りにある言葉が、これでもかと詰め込まれた一冊でした。

読み終えて、もう少し3人の化学反応が見たかったな、という気持ちが残っています。
それくらい、3人それぞれの物語が面白かったということでもあります。
本屋大賞が気になっている人にぜひ。📚

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作品情報

  • 作品名:イン・ザ・メガチャーチ
  • 著者名:朝井リョウ
  • 刊行年:2025年
  • ジャンル:社会派小説・人間ドラマ
  • 書籍はこちらhttps://amzn.to/4t68eYU
    ※本リンクはAmazonアソシエイト・プログラムを利用しています。

一行本棚|作品メーター

※主観で書いています。大きいほど濃厚な読書体験となります。

  • 長さ【3】 短い★★★☆☆長い
  • 読みやすさ【3】 単純★★★☆☆複雑
  • 重さ【4】 軽い★★★★☆重い
  • 余韻【2】 アッサリ★★☆☆☆コッテリ

おすすめのタイミング:現代社会のリアルを感じたい時、推し活やファンダムに興味がある人に。

ここから本格レビュー(ネタバレあり)

⚠️ 以下はネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

この作品の一番の強みは、3人の視点のリアルさです。

久保田は40代の中年男性。離婚し、娘とも疎遠になり、人生に行き詰まっていた彼がファンダムビジネスに活路を見出していく話。マイナスからのサクセスストーリーとして序盤から引き込まれます。

澄香は久保田の娘で大学生。周囲と自分の温度差に居心地の悪さを抱えていた。そんな中、自分と誕生日もMBTIも同じアイドルにのめり込んでいく。その息苦しさと熱狂(ある種の救済)の描写が非常にリアルです。

絢子は35歳の派遣社員。推していた俳優が突然自殺し、その死を受け入れられないまま陰謀論にはまっていく。自分で自覚しながらも虚無より破滅への盲信へ進む様子が、他人事に思えない怖さで描かれています。

最新トレンドの解像度が高い

MBTI、推し活経済、ファンダムのコミュニティ構造。
「あ、これ知ってる」「これ見たことある」という場面が随所に出てきます。
やや特定のワードが繰り返されて胸焼け気味になる部分もありましたが、
それ自体がファンダムの言語に飲み込まれていく感覚を体験させようとしているのかもしれません。

もう少し、3人の化学反応が見たかった

作者の狙いかもしれませんが、個人的にはここだけ惜しいと感じました。
それぞれが「ファンダムの波に飲まれる」という結末に向かっていく中で、
3者が絡み合うことで生まれるはずの化学反応がもう少し見たかった。
女性2人については堕ちていく話として描いていると読み取れたので、その結末には納得できました。
でも久保田だけはマイナスから這い上がる話として始まっていただけに、
同じ方向に引っ張られた結末には物足りなさを感じてしまいました。
3者それぞれに違うクライマックスがあっても良かったのでは、と思ってしまいます。(いっそ堕ちるなら堕ちるところまで。。。)

それでも、視点の多様さと現代社会へのリアルな解像度は本物だと感じました。
読書体験として十分楽しめた一冊でした。📘

YouTubeでも紹介動画公開中

30秒ほどの紹介動画もございますので、よければ合わせてご覧ください🐤

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