不条理の作家・カミュを掘り下げてみた|『異邦人』と『ペスト』から見えてくるもの
カミュという名前は知っている。でもどんな人かは知らない。
『異邦人』という名作を思い起こした時、そのことに気づきました。
この静けさはどこから来るのか。この重さはなぜ残るのか。
気になって、掘り下げてみました🐤
カミュという人間
※Wikipedia などより
- 1913年生まれ、フランス領アルジェリア出身の作家・哲学者
- 父は第一次世界大戦で戦死。母は非識字で、部分的な聴覚障害と言語上の困難を抱えていた。極貧の中で育つ
- 才能を見抜いた小学校の先生の働きかけで進学。その恩を生涯忘れなかったという
- 大学で哲学を学んだが、結核のために進路は大きく制約された
- 新聞記者・劇作家・レジスタンス活動家として活動
- 1942年、『異邦人』と哲学エッセイ『シーシュポスの神話』を同年に発表し一躍注目される
- 1947年、『ペスト』を発表。復興期のフランスでベストセラーに
- 1957年、史上2番目の若さでノーベル文学賞受賞。当時44歳
- 1960年、友人の運転する車が木に衝突し即死。46歳という若さだった
まとめると
貧困、病気、戦争、父の不在。
カミュの人生そのものが、不条理の連続でした。
そしてその不条理に、カミュは絶望しなかった。
神にも、イデオロギーにも頼らず、ただ人間の地平に立ったまま、生きる意味を探し続けた人でした。
調べていて一番刺さったのは、才能を見抜いた先生の話です。
あの一押しがなければ、カミュは作家になっていなかった。
不条理な世界の中に、それでも救いがあった。
カミュが「連帯」にこだわり続けた理由が、少し分かった気がします。
『異邦人』と『ペスト』から見えてくるもの
この2冊には、カミュの不条理に対する思想の、二つの側面が現れています。
『異邦人』
『異邦人』は、個人の不条理を描いた作品です。
主人公ムルソーは悪人ではなく、ただ周囲と軸が噛み合わなかった。
殺人で裁かれるが、裁判では彼の犯行だけでなく、母の葬儀での振る舞いや社会規範からの逸脱までもが糾弾される。
不条理とは、世界の理不尽さと人間の誠実さがぶつかった場所に生まれる、とカミュは示してると考えます。
『ペスト』
『ペスト』は、集団の不条理を描いた作品です。
出口のない疫病という不条理に、それぞれの理由で立ち向かう人々が描かれます。
使命感で動く者、罪悪感を抱える者、そして気づけば自分の変化に嘘をつけなくなっていた者。
そこに描かれるのは「連帯」です。不条理には逃げ場がない、でもそこで誰かと共に立つことができる。
この2冊を並べることで、カミュの思想に立体感が生まれます。
個人の不条理から、集団の不条理へ。
孤独な誠実さから、人々の連帯へ。
カミュが生涯かけて描こうとしたものの輪郭が、見えてくる気がします。📚️
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